中古車を個人間売買サイトやフリマアプリで探していると、「個人が大切に乗っていた一台」という触れ込みの車に出会うことがあります。しかし実際には、複数の車を仕入れては個人を装って売りさばく無登録業者が紛れ込んでいることがあります。これは海外では「カーブストーニング」と呼ばれる手口で、業者としての届出や表示義務、保証やクーリングオフといった消費者保護の対象から逃れるために行われます。事故歴や修復歴、走行距離の改ざんなど、問題を抱えた車が紛れ込みやすいのもこの手口の特徴です。ここでは見抜くための具体的なポイントを紹介します。

なぜ「個人」を装うのか

正規の中古車販売業者には、車両状態の説明義務や一定の保証、契約書面の交付など、購入者を守るためのルールが課されています。無登録で売買を繰り返す業者は、こうした義務を負わずに済ませるため、あえて「知人から譲り受けた」「転勤で手放す」といった個人売買のふりをします。結果として、購入後に不具合が見つかっても交渉相手が誰なのか分からなくなったり、連絡が取れなくなったりするケースが起こります。

見分けるための着眼点

一台だけの広告に見えても、実は同じ人物が複数の車を出品していることがあります。次のような点を確認してみましょう。

所有履歴を確認する

車の登録情報からは、その車がいつから現在の名義になっているかが分かることがあります。購入してからごく短期間で転売されている場合や、短いスパンで所有者が何度も変わっている場合は注意が必要です。個人が「長年大切に乗っていた」と説明していても、登録上の所有期間が極端に短ければ話とつじつまが合いません。ナンバープレートや車台番号を使った照会サービスや口コミを活用し、来歴に不自然な点がないか確認しましょう。

直接会って確認すべきこと

実際に車を見に行く際は、次のことを意識してください。

正当な個人売主であれば、こうした確認に協力的なことがほとんどです。逆に、点検や書類確認を極端に嫌がる、待ち合わせ場所や時間を頻繁に変えたがるといった態度が見られたら、慎重になるべきサインです。

契約前に残しておきたい記録

口約束だけで進めず、次のような記録を残すようにしましょう。

  1. 売り主の氏名・住所・連絡先を書面またはメッセージで残す
  2. 車両の状態について説明を受けた内容を、できればメールやメッセージなど文字で確認する
  3. 売買契約書や譲渡証明書など、取引を証明する書類を必ず作成する
  4. 支払いは可能な限り、履歴の残る方法を選ぶ

これらは後日トラブルになった際に、状況を説明するための重要な材料になります。

不安を感じたときは

説明と実態にズレを感じたり、複数の不自然な点が重なったりする場合は、無理に取引を進める必要はありません。銀行や登録機関、この種のサービスが提供する照会機能などを活用しながら、時間をかけて確認することが、結果的に安全で満足のいく買い物につながります。焦らず、疑問が残る取引からは一度離れる勇気も大切です。